紛争時に正確な情報を提供するOSINTアカウント
紛争当事者の情報発信
2020年に入ってから地域紛争に関する話題が絶えません。2020年のナゴルノ・カラバフ紛争、2021年のパレスチナとイスラエル間の衝突、そして現在2022年2月の時点ではウクライナとロシアは全面戦争状態にあります。このような状況下で戦況の経過等を把握したい人々は常に存在しますし、紛争当事国や組織はこれらの人々(自国民含む)に対してTwitterで情報発信を行っています。しかし、これらの情報にはある程度のプロパガンダは含まれています。主に相手方の被害を大きく見せる事等、常に昔から行われてきた手法です。
インターネット時代の戦況把握
このような紛争当事者の情報に代わり、近年注目を集めているのがOSINTによる戦況分析です。OSINTとはインターネットに接続可能な全ての人がその主体になるものです。 OSINTとは"Open Source Intelligence"の略で、一般的に公開されている情報をかき集め、互いにつきあわせる事で、特定の物事の詳細を明らかにする手法の一つといえます。この手法自体は国家単位の諜報機関で行われてきましたが、戦地の市民や前線の兵士がSNSに画像や映像をアップロードし始めた現代では、ネット情報にアクセス出来る全ての人々がその主体になり得えます。
Twitterで信頼のおけるOSINTアカウント
SNS上のOSINTアカウントはあまた存在しますが、その中でも信頼性の高いアカウントをご紹介します。
Oryx
北朝鮮の軍備に関する書籍で有名です。軍事分析、評論として有名なグループで、優れたOSINTグループとしても有名になりつつあります。(https://twitter.com/oryxspioenkop)昨年には日本語アカウントも設立されました。(https://twitter.com/oryxspioenkopJP)
CaucasusWarReport
"Caucasus"と名がついていますが、その範囲はコーカサス地方に留まりません。地域紛争が発生すれば必ずその分析と発信を行っています。(https://twitter.com/Caucasuswar)
参考にしない方が良いアカウントとは?
上記のアカウント以外にも優れたOSINTアカウントは存在しますが、現時点で確実なのは上記のアカウントとしておきます。では逆に参考にしない方が良いアカウントとはどのようなアカウントでしょうか?
それは上記のアカウントを基に独自の意見を表明しつつ、「専門家」を名乗る者達といえるでしょう。彼らは自らでネットで情報収集を行わず、専ら上記のアカウントに頼った情報発信かretweetを行うのみか、その情報をただ列挙するのが精一杯です。あるいはその活動を通して「専門家」を自称したり世間的な認知を得ようとしており、中には有名なweb媒体で記事を執筆する者も存在します。彼らには十分な注意が必要です。上記のアカウントに頼る情報収集や意見表明は自由ですが、それだけでは専門家を名乗ることは難しいでしょう。
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